松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員Hanaです。前回から、2024年3月22日(金)より松竹ブロードウェイシネマで公開される『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』についてブログを更新しています! 今回はピアノという楽器がいつ、どこで誕生したのか? についてお話ししていきます。
カバー画像:『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』より©Lydia Pawelka

松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。

前回のブログはこちら

2024年の松竹ブロードウェイシネマ新作は『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』! ということで、前回のブログでは、ピアノという楽器が日本に来たのはいつだろう?ということをお話ししました。

そして現在、国内のピアノ普及率は約25%と、世界的に見ても高い普及率だそうですが、その背景にはヤマハカワイの2大ブランドが貢献してきたことにも触れました。
前回のブログで気づいていなかったのですが、『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』で使用されているピアノ…、ヤマハじゃありませんか…!?

では、日本に持ち込まれる前、ピアノはどこで生まれたのか?と思い調べてみると、ものすごーく長い歴史の中で進化を遂げてきた楽器だということが分かりました。今日はそのお話をします。

ピアノの原型「チェンバロ コル ピアノ エ フォルテ」

ピアノの原型と言われる楽器を作ったのは、イタリア人のクリストフォリです。彼は1700年頃に「チェンバロ コル ピアノ エ フォルテ」を製作します。これを短く呼んで「ピアノ」です!

ちなみに、「チェンバロ コル ピアノ エ フォルテ」を日本語に訳すと、「ピアノとフォルテを備えたチェンバロ」という意味になります。クリストフォリは、チェンバロという楽器よりも音の強弱を表現できる楽器が欲しくて、ピアノを作ったんですね。

ピアノのはじまりは1本の弦から

ピアノの原型「チェンバロ コル ピアノ エ フォルテ」は1700年頃に誕生した楽器ですが、それも「チェンバロ」という楽器をもとに、いわば進化したものですよね。ではそのチェンバロは何をもとに……?と、家系図を遡るように辿っていくと、最終的に辿り着くのは1本の弦です。

弦を爪で弾く「プサルテリウム」

1本の弦で音を出していたとこから、複数の弦で音を出すように。そしてそこから「プサルテリウム」という楽器になります。この楽器は弦を爪で弾いて音を出していたみたいです。
↓プサルテリウムはこんな楽器

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弦を叩く「ダルシマー」

しかしピアノは、弦を直接爪で弾かずに、弦を叩いて音を出しています。弦を叩く要素を取り入れたのは、「ダルシマー」という楽器です。

ダルシマーは11世紀に中近東からヨーロッパに伝えられたそうですが、21世紀の現在でも、多くの人が演奏しているみたいです。YouTubeなどでは、ダルシマーを演奏する動画が多くアップされています。気になる方は見てみてください!
↓ダルシマーはこんな楽器

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鍵盤を押すと弦を叩ける「クラヴィコード」

さあ、弦を叩いて音を出すところまで進化してきましたが、もう一押しです。ここから、「鍵盤を押すとハンマーで弦を叩くことができる」ようになったのが「クラヴィコード」です。

14世紀に生まれたクラヴィコードは、もうかなりピアノに近い楽器だと言われています。ピアノとの違いは、サイズや音の大きさ(どちらもピアノより小さい)、それから金属で弦を叩いている点などがあるそうです。

ちなみに、「G線上のアリア」「ブランデンブルク協奏曲」などで有名なバッハも、クラヴィコードを使っていたんだとか。「バッハはクラヴィコードを最も愛していた」とも言われています。
↓クラヴィコードはこんな楽器

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ピアノに似ているといえば「チェンバロ」

クラヴィコードの誕生で、グッと今のピアノに近いものができたわけですが、ピアノに似ている楽器といえば「チェンバロ」を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか? 私もそう思っていたのですが、調べてみるとチェンバロという楽器はピアノから近いような…遠いような…楽器でした。

チェンバロが誕生したのは15世紀、クラヴィコードよりも後です。しかしクラヴィコードやピアノと大きく違う点が1つ。それは、爪で弦を弾いていることです。

なんだ! プサルテリウムの仲間に逆戻りか!? と思いきや、ピアノに近い要素も持ち合わせていました。音量の大きさや音色の豊さ、そして構造です。

クラヴィコードと異なり音が大きく鳴ることから、人が集まるサロンなどで演奏されており、チェンバロ協奏曲も多く作曲されています。また、楽器内部の音を響かせる構造なども、現在のピアノに非常に近い形をしているそうです。
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人類の探究心が生んだピアノという楽器

1本の弦で音を出すところから、ピアノという楽器になるまで長いながい歴史がありましたね。もっと音階を広く、もっと大きな音を、もっと音に強弱を…! とさまざまな音色を表現したくて試行錯誤してきた結果、今日のピアノが生まれたことがわかりました。

それではまた次回

松竹ブロードウェイシネマ『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』2024年3月22日(金)より公開

『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』
2024年3月22日(金)より全国順次限定公開!

『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』予告編

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上演回数4000回!
米国、最多制作演劇作品トップ10入りを果たし、 “カナダ演劇界のレジェンド”と言われるテッド・ダイクストラとリチャード・グリーンブラットが放つ、ツアー全公演完売を誇る、グローバル・ヒットメーカー・ショー開幕!

ストーリー

強引な親に風変わりな教師、何時間にもおよぶ反復練習、舞台恐怖症、ライバルや試験の重圧、そして偉大なピアニストになるという夢──ピアノ漬けの日々を送るなか、テッドとリチャードは“ピアノオタク”になっていく。

成長するにつれ、2人は“とても上手”と“偉大”との差を痛感し、コンサートに引っ張りだこのスターにはなれないのではないかと、身の程を思い知らされることに。とはいえ、2人がこの界隈で1、2を争うピアニストかもしれないこと自体、祝福する価値あり!

『ピアノ』(原題:2 Pianos 4 Hands)は、ピアノのレッスンに付き物のユーモラスなあれこれや、いずれ来る夢を手放す瞬間の喪失感を描く。

(2 Pianos 4 Hands 公式ホームページより)

配給:松竹 ©BroadwayHD/松竹
〈カナダ/2013/ビスタサイズ/114分/5.1ch〉 日本語字幕スーパー版