こんにちは! 松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員のYuriです。ブロードウェイミュージカル初心者の私が、ミュージカルや演劇の素晴らしさについて気ままに発信! 今回は、来年3月に公開される『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』を見た感想について。後編では見どころポイントをお話しします!
カバー画像:『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』より ©Evgenia Eliseeva

松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。

『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』
見どころポイント1・2・3

前回の記事にて『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』を見た感想をお話ししました!

今回は見どころポイント(印象的だった点)を3つ挙げ、さらに本作の魅力をお伝えします\\\\٩( 'ω' )و ////

【見どころ1】
トニー賞を6冠獲得する大女優 オードラ・マクドナルドさんの迫真の演技

まずご紹介したいのが、オードラ・マクドナルドさんの演技…! ここは見どころとして絶対に外せません。

ここで注目すべき点は、本作で描くのは“死を4ヶ月後に控えたビリー・ホリデイによる最後のパフォーマンス”というところです。

舞台で彼女が時折見せる陰りや辛さ。抑えることのできない葛藤や衝動。いかに壮絶な人生を過ごしてきたのかということと同時に、人種差別や苦境に負けずに生きてきた彼女の強さが痛いほどに画面越しに伝わります。

中でも私が引き込まれたのが、目線と間合いだけで表現する「台詞のない演技」です。台詞のない時間こそ、何か伝えたいことがあるような気がしてなりませんでした。大女優の演技、ここにあり。。終始画面に釘付けです。

【見どころ2】
圧倒的オーラを放つ “カリスマの歌声”

演技はもちろんなのですが、歌声もすごい…。本作で披露されるオードラ・マクドナルドさんの歌声は「伝説の歌姫」と称されるビリー・ホリデイの歌声にあまりにもリンクし過ぎていて、それはもう怖いほどに。。

壮絶な人生を経験したからこそ成せるビリー・ホリデイの歌声。オードラ・マクドナルドさんは、なぜここまで彼女の歌声に似ているのだろうか…不思議でなりませんでした。まるで彼女の人生を直で目の当たりにしていたかのような、彼女と意思疎通しているような凄みがありました。

『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』

©Evgenia Eliseeva

中でも代表曲「奇妙な果実」でのパフォーマンスはもう、圧巻でした。言葉以上の説得力があるようで、人に伝わる音楽とはこういうものだ、と圧倒されます。

どっしりとした歌声を聴き湧き立つのは、“もっと彼女の歌声に浸っていたい”という感情。鑑賞後には、1950年代に私が置いてけぼりにされたような寂しい気持ちにさえなりました。。

【見どころ3】
ビリー・ホリデイが伝えたかったこと

本作では、ぜひ台詞にも注目していただきたいです。スマホのメモに残しておきたい(実際にしている)言葉がたくさんあります。

ビリー・ホリデイはユーモアを交えながら自身のストーリーを語ります。その話を聞いて当時の人種差別の痛烈な実態に憤りを感じながらも、それ以上に苦境を乗り越えた彼女の強さを目の当たりにし、そこには爽快感すら覚えます。こんなに強い女性は今までもこれからもきっといない。。

お酒をひと口飲み干す度に、口から想いが溢れ出てしまうような、そんな話の切り出し方が印象的でした。それはまるでビリー・ホリデイが世の中に言いたかったことを、オードラ・マクドナルドさんが代弁しているようでもあります。

以上が見どころポイントなのですが、とにかく伝えたいのは鑑賞後「すごいものを見てしまった…」という余韻がすごいのです。。一生忘れられない出会いとなるに違いありません。。ぜひ劇場にてご覧ください!

ではまた次回お会いしましょう〜!

『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』
2023年3月10日(金)より全国順次限定公開!

『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』

youtu.be

── 愛に飢えても差別に負けない時代のカリスマ、ビリー・ホリデイを知らずして、人に伝わる“歌”は語れない。

史上初! トニー賞®全女優賞部門を6度受賞、アメリカの舞台エンターテイメント界において最多受賞を誇る、ブロードウェイ界の大スターで看板女優、オードラ・マクドナルドの代表作、そしてトニー賞®受賞作品!

ストーリー
時は1959年、舞台はフィラデルフィアのとある寂れたジャズクラブ。これから観客の面前で繰り広げられるのは、死を4ヶ月後に控えたビリー・ホリデイによる最後のパフォーマンスである。本作は、10曲を超える楽曲の数々に、辛辣で時にユーモラスな回想を交えながら、歌姫の姿とその音楽的世界観を魅力的に描き出していく。ニューオーリンズのカフェ・ブラジルで有観客上演された舞台を収録した「レディ・デイ・アット・エマーソンズ・バー&グリル」。6度のトニー賞に輝くオードラ・マクドナルドがジャズ界の伝説的な歌姫に扮し、歴史に残るパワフルなパフォーマンスを披露する。

トニー賞® 演劇主演女優賞(2014年)オードラ・マクドナルド
トニー賞® 演劇音響デザイン賞(2014年)スティーヴ・キャニオン・ケネディ

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配給:松竹 ©BroadwayHD/松竹
〈米国/2016/ビスタサイズ/90分/5.1ch〉日本語字幕スーパー版