こんにちは! 松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員のYuriです。ブロードウェイミュージカル初心者の私が、ミュージカルや演劇の素晴らしさについて気ままに発信! 今回は『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』の脚本を務めたラニー・ロバートソンさんに注目。後編では、ラニー・ロバートソンさんが所属する「全米脚本家組合(WGA)」についてお話ししたいと思います。
カバー画像:『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』より ©Evgenia Eliseeva

松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。

(続き)ラニー・ロバートソンさんに注目!

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伝説的なアーティストや、彼らが直面する社会との軋轢を描いた戯曲で知られる脚本家ラニー・ロバートソン(Lanie Robertson)さん。彼の代表作『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』においても、ビリー・ホリデイという一人の女性を通じ、人種差別の残酷な実態を真っ向に描いています。

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そんなラニー・ロバートソンさんは、全米脚本家組合、東部全米脚本家組合、劇作家・作曲家協会に所属しています。

「全米脚本家組合」とは?

「全米脚本家組合(=Writers Guild of America, 略称WGA )」とは、アメリカ合衆国の東西にある2つの労働組合の総称のこと。労働組合は以下の通りです。

「全米脚本家組合」

  • 東部全米脚本家組合(=Writers Guild of America, East)
     略称WGAE/ニューヨークを拠点とする映画・テレビ脚本家の組合
     Instagram:https://www.instagram.com/wgaeast/
  • 西部全米脚本家組合(=Writers Guild of America, West)
     略称WGAW/ハリウッド、南カリフォルニアを拠点とする映画・テレビ脚本家の組合
     Instagram:https://www.instagram.com/wgawest/

本団体は、脚本家クレジットの掲載やルール統制などの活動を行っており、年に一度『全米脚本家組合賞』を開催しています。

『全米脚本家組合賞』とは、ロサンゼルスで上映された作品を対象に、映画・テレビ・ラジオ作品に贈られる賞のことです。1949年から開催しており、トニー賞(初回:1947年〜)と同じくらい長い歴史を持っています。

昨年は「21世紀の最も優れた脚本101選」を発表し、ニュースをご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。

また、2007–2008年の全米脚本家組合ストライキで団体を知った方もいらっしゃるかもしれません。

ストライキの争点には、メディアやエンターテイメントの技術進歩により、DVDの普及や、インターネットを介した作品視聴やダウンロードなど需要の変化が起きたことが背景にありました。

脚本家たちは全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)に対し使用料・契約の見直しを要求し、この影響によりテレビ番組や海外ドラマの制作がストップするなど、現地ハリウッドでは非常に大きなストライキとなりました。

脚本がなければ番組も作品も形にできない。俳優はもちろん、制作に関わる関係者すべての仕事がなくなってしまう。ストライキやデモはもちろんない方が良いですが、いかに損失が大きいことか・・

エンタメ作品は、表に見える出演者や映像などに注目してしまいがちですが、作品の源と言っても過言ではない脚本家たちの力を改めて実感しました。

脚本家ラニー・ロバートソンさんの代表作『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』。本作は“死を4ヶ月後に控えたビリー・ホリデイによる最後のパフォーマンス”を描いており、まるでビリー・ホリデイ本人が舞台にいるかのようなストーリーは本当に圧巻です。目が離せません。

『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』

©Evgenia Eliseeva

彼が本作で伝えたかったメッセージとは? ぜひ劇場にてご覧ください!

『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』
2023年3月10日(金)より全国順次限定公開!

『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』

youtu.be

── 愛に飢えても差別に負けない時代のカリスマ、ビリー・ホリデイを知らずして、人に伝わる“歌”は語れない。

史上初! トニー賞®全女優賞部門を6度受賞、アメリカの舞台エンターテイメント界において最多受賞を誇る、ブロードウェイ界の大スターで看板女優、オードラ・マクドナルドの代表作、そしてトニー賞®受賞作品!

ストーリー
時は1959年、舞台はフィラデルフィアのとある寂れたジャズクラブ。これから観客の面前で繰り広げられるのは、死を4ヶ月後に控えたビリー・ホリデイによる最後のパフォーマンスである。本作は、10曲を超える楽曲の数々に、辛辣で時にユーモラスな回想を交えながら、歌姫の姿とその音楽的世界観を魅力的に描き出していく。ニューオーリンズのカフェ・ブラジルで有観客上演された舞台を収録した「レディ・デイ・アット・エマーソンズ・バー&グリル」。6度のトニー賞に輝くオードラ・マクドナルドがジャズ界の伝説的な歌姫に扮し、歴史に残るパワフルなパフォーマンスを披露する。

トニー賞® 演劇主演女優賞(2014年)オードラ・マクドナルド
トニー賞® 演劇音響デザイン賞(2014年)スティーヴ・キャニオン・ケネディ

上映劇場はこちら!

配給:松竹 ©BroadwayHD/松竹
〈米国/2016/ビスタサイズ/90分/5.1ch〉日本語字幕スーパー版