こんにちは! 松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員のYuriです。ブロードウェイミュージカル初心者の私が、ミュージカルや演劇の素晴らしさについて気ままに発信!前編に引き続き、ありのままの自分を歌うビリー・ホリデイの美学や、そこに隠された真意についても考えていきます。
カバー画像:『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』より ©Evgenia Eliseeva

松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。

(続き)歌うことで生き続けられた歌姫

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アメリカの若手シンガーソングライター GAYLE(ゲイル)が、2021年にリリースした楽曲「abcdefu」。この曲を聴いたことがある方はタイトルを見ただけでピンとくるのではと思いますが、元カレを徹底的に叩いた痛烈な内容が世界中で話題となりましたね。

いまから半世紀以上前。1930年代。
ビリー・ホリデイも、ありのままの自分をさらけ出して曲にすることで、当時の人々の心を揺さぶり、歌の力で多くの人を支えていた。壮絶な人生を経験したビリー・ホリデイだからこそ 言葉により重みが感じられ、人に伝わる歌が歌えるのではないでしょうか。

また、ミュージカル『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』でも描かれていますが、何よりビリー・ホリデイの包み隠さない素直な性格こそ多くの人々を惹きつけたのでは、とも思います。

笑いたいときは笑う。
嫌なことにはハッキリ嫌と言う。
好きな人がどんなに悪い人でも好きだから好き。
世間が間違っていることに対して真っ向から向き合う。

いつも自分の心に素直でいる。
これこそビリー・ホリデイの“究極の美学”なのではないでしょうか。

そして何より「ありのままを自分を歌う」ことの意味するところ。
それはきっと、数々の苦難乗り越えるための一つの手段だったのでは、と私は思います。

『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』より

©Evgenia Eliseeva

辛かった出来事や想いを自身の言葉にして、歌にする。歌わないと生きていけない、そうすることでしか生きていけなかったのではのかもしれません。もし彼女に歌がなかったら…考えたくもないですが・・・

ビリー・ホリデイの代表曲のひとつ「God Bless' The Child(ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド)」。母親とのトラブルを元にした楽曲ですが、曲を聴くとなんとも達観したような…そんな視点が感じられます(本編でも披露されています)。

酷い仕打ちをする恋人に対しても、支えてくれない母親に対しても、どこか広い視点で素直な気持ちをぶつける。そんなビリー・ホリデイの生き方は本当に感慨深いです。。

そんなビリー・ホリデイの姿を、トニー賞6冠を受賞する大女優オードラ・マクドナルドさんが本作にて演じている訳なのですが、本当に素晴らしい演技で心を奪われるとはこのことか…と改めて気付かされます。

人気アナウンサーの唐橋ユミさんも本作を大絶賛‼︎
ぜひこちらのインタビュー動画もぜひチェックしてみてください。

ついに来週公開となったミュージカル『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』。ぜひ劇場へ足をお運びください!

ではまたこちらのブログでお会いしましょう。

『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』
2023年3月10日(金)より全国順次限定公開!

『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』

youtu.be

── 愛に飢えても差別に負けない時代のカリスマ、ビリー・ホリデイを知らずして、人に伝わる“歌”は語れない。

史上初! トニー賞®全女優賞部門を6度受賞、アメリカの舞台エンターテイメント界において最多受賞を誇る、ブロードウェイ界の大スターで看板女優、オードラ・マクドナルドの代表作、そしてトニー賞®受賞作品!

ストーリー
時は1959年、舞台はフィラデルフィアのとある寂れたジャズクラブ。これから観客の面前で繰り広げられるのは、死を4ヶ月後に控えたビリー・ホリデイによる最後のパフォーマンスである。本作は、10曲を超える楽曲の数々に、辛辣で時にユーモラスな回想を交えながら、歌姫の姿とその音楽的世界観を魅力的に描き出していく。ニューオーリンズのカフェ・ブラジルで有観客上演された舞台を収録した「レディ・デイ・アット・エマーソンズ・バー&グリル」。6度のトニー賞に輝くオードラ・マクドナルドがジャズ界の伝説的な歌姫に扮し、歴史に残るパワフルなパフォーマンスを披露する。

トニー賞® 演劇主演女優賞(2014年)オードラ・マクドナルド
トニー賞® 演劇音響デザイン賞(2014年)スティーヴ・キャニオン・ケネディ

上映劇場はこちら!

配給:松竹 ©BroadwayHD/松竹
〈米国/2016/ビスタサイズ/90分/5.1ch〉日本語字幕スーパー版

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