こんにちは。 松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員Hanaです。今回は『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』をひと足先に鑑賞した感想をお話しします!
カバー画像:『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』より©Rick O'Brien

松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。

前回のブログ

前回から、『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』の感想をお話ししています! 前回は最後に「本作はピアノ要素を抜きにしてもグッとくるポイントがたくさんある」とお話ししました。今回はこの点についてお話ししたいと思います。

見る方によって、さまざまな見方ができるのがミュージカルや映画の良いところです。私がお話しする感想も、一つの見方として参考になれば幸いです。

誰もが子供の頃を思い出す

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子供から見ると矛盾している、口うるさい親

ちょっとトゲトゲした言葉遣いで申し訳ないのですが…。誰もが子供の頃に1度は思ったことがあるでしょう。「お父さん/お母さん、うるさいなあ…!」「今宿題やろうと思ってたのに、言われたらやる気なくなるよ!」

今思い出すと、そんなこともあったな程度ですが、本作では子供の頃に感じたこの嫌さをダイレクトに伝えてきます。鑑賞している私はもう大人なのに、なぜか子供の頃と同じような、結構な嫌さを感じます。笑

加えて、その時によって親の言っていることが変わります。最初は「外に遊びに行ってないでピアノの練習をしろ!」と言っていたくせに、数年経つと「いつもピアノばかり弾いてないで、外で友達と遊ぶとかないの!?」と言われます。

テッド、リチャードと一緒に子供の立場で観ると、矛盾したこと言うなよ!と思うこと間違いなし。でも親の立場で観たら…「はじめは習い事に集中させたいと思っていたけど、とはいえ数年間友達とも遊ばずに部屋に篭ってピアノばかりだとそれはそれで心配…」の側の気持ちも分かるかも…!となります。

どちらの立場に共感できるかは、ぜひ劇場でご鑑賞の上、お考えください!

モノマネのネタになる先生、いませんでしたか?

特に中高生くらいになってくると、話し方や仕草を真似される、ちょっと特徴的な学校の先生っていませんでしたか? 本作にも、特徴的な先生が数人出てきます。なぜかいつも片目が痛い先生、テンポをちょっと特徴的に数える先生、いつも寝転がっている(?)先生…。

いろんな先生が出てきますが、テッドとリチャードはこの先生たちのモノマネをしてネタにしたりなんかせず、一生懸命教わります。先生も生徒(テッドとリチャード)も、どちらもピアノに真摯に向き合う姿勢は変わりません。ただ、個性的な先生と一生懸命な生徒の対比が、また面白くなってきちゃって…。笑

子供でもプライドは大事

子供だって、自分のプライドを守るためにちょっと見栄を張ることくらいあります。それが同じ子供相手ならなおさら、相手には舐められたくないわけです。大人からみれば微笑ましく見えるかもしれませんが、子供としてはいつだって真剣です。

そのことが感じられる場面があります。テッドとリチャードがコンクール前に「よっ! どの部門に出るの?」みたいな会話をしている時です。「君は何をやるの?」って愛想笑いにもならない微妙な笑いを挟みながら探りを入れ合い、気まずい間があくと2人同時に乾いた笑いが出る…。

子供ながらに、相手に負けたくない!というプライドがしっかりあるんだなあ、と感じられる場面でした。子供の立場で観れば真剣な感じに、大人の立場で観れば微笑ましい感じにうつるのではないでしょうか?

初めて見る大人のめんどくささ

このお話は、これまでのお話から2人ともちょっと成長してからのエピソードです。

例えば、酒場で長い時間大きい声で電話する酔っ払いとか、ピアノ教室に来て家庭の愚痴が止まらなくなる主婦とか…。子供(青年くらいかな?)ながらに「大人ってめんどくさいところもあるんだな〜」って思った出来事、ありませんでしたか?

それが本作にも描かれています。先ほどの酔っ払いも主婦も、本当はもっとめんどくささを発揮しています。そのめんどくささがまた、面白おかしく表現されているので、これもぜひ劇場でお楽しみいただきたいです。(巻き込まれているテッドとリチャードからすれば、いい迷惑ですけどね、面白いんです。笑)

子供の頃の思い出が面白く思い出される

こんな感じで、ああ子供の頃にあったな〜ということがいくつも散りばめられています。もしかしたら、観る人のよって、そう思えるポイントはまた違ってくるかもしれません。

そして、子供の頃を思い出してグッとくる…のと同時に、それが面白おかしく表現されているのでちょっと笑えてしまうのです。この面白さはぜひ体験してみていただきたいです!

それではまた次回!

松竹ブロードウェイシネマ『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』2024年3月22日(金)より公開

『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』
2024年3月22日(金)より全国順次限定公開!

『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』予告編

www.youtube.com

上演回数4000回!
米国、最多制作演劇作品トップ10入りを果たし、 “カナダ演劇界のレジェンド”と言われるテッド・ダイクストラとリチャード・グリーンブラットが放つ、ツアー全公演完売を誇る、グローバル・ヒットメーカー・ショー開幕!

ストーリー

強引な親に風変わりな教師、何時間にもおよぶ反復練習、舞台恐怖症、ライバルや試験の重圧、そして偉大なピアニストになるという夢──ピアノ漬けの日々を送るなか、テッドとリチャードは“ピアノオタク”になっていく。

成長するにつれ、2人は“とても上手”と“偉大”との差を痛感し、コンサートに引っ張りだこのスターにはなれないのではないかと、身の程を思い知らされることに。とはいえ、2人がこの界隈で1、2を争うピアニストかもしれないこと自体、祝福する価値あり!

『ピアノ』(原題:2 Pianos 4 Hands)は、ピアノのレッスンに付き物のユーモラスなあれこれや、いずれ来る夢を手放す瞬間の喪失感を描く。

(2 Pianos 4 Hands 公式ホームページより)

配給:松竹 ©BroadwayHD/松竹
〈カナダ/2013/ビスタサイズ/114分/5.1ch〉 日本語字幕スーパー版