カバー画像:『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』より ©Evgenia Eliseeva
松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。
【続き】ちょっと「もやっと」しているコト、はっきりしたい!
前回の記事にて『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』はミュージカルと音楽劇どちらのジャンルになるか? というお話をさせていただきました。
記事はこちら↓
本作品はズバリ、欧米では「ミュージカル」のジャンルに入るそうです!
音楽劇のような気も? と感じた方も多いのではと思います。ミュージカルと耳にすると、舞台俳優が歌い、大勢のダンサーたちが踊るそんなイメージが一番に思い浮かびますからね。
本作のステージでは、オードラ・マクドナルド演じるビリー・ホリデイとジミー・パワーズ、バンドメンバーのみで、ダンサーは登場しません(その他にもかわいい名脇役も登場しますので、これはまた後日のブログでご紹介しますね!)。ビリー・ホリデイの名曲とともに、ときにユーモアを交えながら辛辣な人生を語る彼女の姿を描いたのが本作の見どころ。松竹ブロードウェイシネマの過去作品だと、私も大好きな作品『ジャニス・ジョプリン』がジャンルとして近い感じです!
ここでミュージカルと音楽劇の特徴を改めて整理してみると、こんな感じでしょうか!? どちらも「歌」「音楽」「ダンス」「お芝居」が含まれているので、はっきりと定義するのはちょっと難しそうです。。
ミュージカルとは
≫≫ 歌、音楽、ダンスがメイン。その場の状況や登場人物の心情を描いた歌でストーリーが展開。セリフを用いたお芝居も含まれる。音楽は、ポップスやジャズ、ロックなど作品によってさまざま存在する。
音楽劇とは
≫≫ セリフとお芝居がメイン。お芝居の途中に演出の要素として歌や音楽、ダンスが加わった演劇の一種。演劇と同様、セリフを中心にストーリーが展開する。
前述の通り、『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』には『キンキーブーツ』のようなダイナミックなダンスはありませんが、ビリー・ホリデイの名曲の数々によってストーリーが展開していくので、なるほど、ジャンルでいうとミュージカルという訳なのですね。
もし本作で歌の要素がなければストーリーが成立しないという点も、まさにミュージカルの特徴であり、また、そこが本作の味わい深いところでもあります!
けれど、、やはり6度のトニー賞に輝く大女優、オードラ・マクドナルドの演技。ビリー・ホリデイがその場に居るようなリアリティと、ハラハラしてしまうような、胸を掴まれる演技をみるとちょっとだけミュージカルとはまた違う感じも・・・うーーんむずかしい感じがします。言わば「音楽劇ミュージカル」!? のような感じもします。。
ぜひ本作を見ていただけると、私のこの気持ちが伝わるかもしれません(笑)
ぜひ来年3月の公開をお楽しみに♪ ではまた次回お会いしましょう〜!
『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』
2023年3月10日(金)より全国順次限定公開!
── 愛に飢えても差別に負けない時代のカリスマ、ビリー・ホリデイを知らずして、人に伝わる“歌”は語れない。
史上初! トニー賞®全女優賞部門を6度受賞、アメリカの舞台エンターテイメント界において最多受賞を誇る、ブロードウェイ界の大スターで看板女優、オードラ・マクドナルドの代表作、そしてトニー賞®受賞作品!
ストーリー
時は1959年、舞台はフィラデルフィアのとある寂れたジャズクラブ。これから観客の面前で繰り広げられるのは、死を4ヶ月後に控えたビリー・ホリデイによる最後のパフォーマンスである。本作は、10曲を超える楽曲の数々に、辛辣で時にユーモラスな回想を交えながら、歌姫の姿とその音楽的世界観を魅力的に描き出していく。ニューオーリンズのカフェ・ブラジルで有観客上演された舞台を収録した「レディ・デイ・アット・エマーソンズ・バー&グリル」。6度のトニー賞に輝くオードラ・マクドナルドがジャズ界の伝説的な歌姫に扮し、歴史に残るパワフルなパフォーマンスを披露する。
トニー賞® 演劇主演女優賞(2014年)オードラ・マクドナルド
トニー賞® 演劇音響デザイン賞(2014年)スティーヴ・キャニオン・ケネディ
配給:松竹 ©BroadwayHD/松竹
〈米国/2016/ビスタサイズ/90分/5.1ch〉日本語字幕スーパー版