今回のアニキ・ブログは、「マルチな才能を発揮した、ノエル・カワードとは」と題して、2022年3月11日(金)に公開する『プレゼント・ラフター』の作者であるノエル・カワードの人物像についてご紹介したいと思います!
SF映画の世界がすぐそこに・・・
先日、テレビを見ていたらイギリスの企業が開発した‟人間のようなアンドロイド”をお披露目するニュースが流れていました。
そのアンドロイドが「目を覚ます」様子を映したプロモーション映像は、まさにショッキングそのものでした。
なぜなら、そこに映っていたものはアンドロイドではなく、人間そのものに見えたからです。
アンドロイドの表情は驚くほどリアルで、感情を持っているように見えました。
アンドロイドを開発した企業の創業者であり最高経営責任者は、「人とロボットの交流のために設計された、最新世代のヒューマノイド・ロボットです。人の形をしたロボットを作る理由は、人と接するためです。人間の顔というものは重要なコミュニケーションツールなので、私たちはこうした表情豊かなロボットを作りました」 と語っていました。
人工知能(AI)が発達し、人工知能(AI)を搭載したロボットと共存共栄する社会が間もなくやって来るだろうと想像はしていましたが、人間と区別がつかない容姿と感情を持ったアンドロイドを目にした時、ちょっとした恐怖心を覚えてしまったのは私だけではないと思います。
この映像はネット上で公開されてから1000万回以上再生されているので、ご興味がある方は一度見てみて下さいね。
人工知能(AI)が支配する社会
このままいけば10年も経たないうちに、このようなアンドロイドと共存する社会が訪れると思います。
人間がやりたがらない仕事をアンドロイドが代わってやってくれるようになると思いますが、アンドロイドが感情を持つようになったら、アンドロイドも人間がやりたくないような仕事に対しては拒否することもあり得るのではないかと思います。
そのニュースでアンドロイドは「我々にも市民権を与えて欲しい」と言っているのを聞いて、人工知能の危うさと恐ろしさを感じましたが、その人工知能を開発してしまった人間そのものが本当は怖い存在なのだと感じました。
ちょっと重くて怖い話になってしまいましたが、そろそろ本題に入りましょう(笑)。
今回のアニキ・ブログは2022年3月11日(金)に公開する『プレゼント・ラフター』の作者であるノエル・カワードについて書かせて頂きます。
英国初のポップスター、ノエル・カワード
ノエル・カワードって皆さんご存知でしたしょうか。
ノエル・カワードは1899年にイギリスに生まれ、1973年に亡くなっているので、おそらく若い方々は知らない人が多いと思います。
ノエル・カワードは、類い稀な才能を持ち、俳優・劇作家・脚本家・演出家・作詞・作曲・映画監督とあらゆるジャンルで才能を遺憾なく発揮し、1920~40年代にイギリスで超人気を誇り、イギリス初のポップスターとなった人物なのです。
シリアスな人生劇より、洗練された喜劇を好む男
第一次世界大戦終結後、それまで長く続いたイギリスの厳格な雰囲気に支配された社会を吹っ飛ばすようなヤング・カルチャーがブームになった。
そのヤング・カルチャーブームを先頭に立って牽引したのがノエル・カワードでした。
ノエル・カワードは、中流階級の気ままな生活や、男女関係が目まぐるしく変わる恋愛ゲームなど、おしゃれでウィットに富んだ作品を数多く発表し、その時代の世相に飽き飽きしていたイギリス国民の心を掴み絶大な人気を得ました。
特にその当時の若い世代は、ノエル・カワードの作風に共感し、熱狂的に彼の作品を支持したのでした。
「人生はうわべだけのパーティー」と考えていたノエル・カワードは、真剣に人や国を愛したり、自分の人生に真面目に向き合うことを極端に嫌い、シリアスな人生劇より、洗練された喜劇を好んだのです。
そのノエル・カワードの考え方が時代とマッチして、一躍時代の寵児に躍り出たのでしょう。
ダンディ・・・それはノエル・カワードの為に作られた言葉
ノエル・カワードのファッションもまた、その当時のファッションに多大な影響を与えました。
彼のトレードマークだった、頭皮にピッタリとなでつけた髪の毛は、多くの若い男性の注目を集め、「ノエル・カワード流ヘア・スタイル」は大流行しました。
また、ノエル・カワードは様々な柄のガウン姿でマスコミの前に登場するなど、奇抜なファッションを優雅に着こなし、イギリス紳士達のハートを射抜き大人気となりました。
ちなみにタートルネックセーターはノエル・カワードが初めて身につけたと言われています。
ノエル・カワードは、ファッション・リーダーとして多くの人々に影響を与えましたが、ロック界でもポール・マッカートニー、デヴィッド・ボウイ、ブライアン・フェリーらがノエル・カワードに傾倒しており、まさにダンディという言葉はノエル・カワードの為に作られた言葉だったように思います。
素晴らしい人生を謳歌しよう
第二次世界大戦が始まると、「戦争は憎しみの舞台。芝居という魅力の舞台に立つ者には最も不向きなものだ」と発言し、戦争支持の風潮に背を向けた。
そのため、非国民のレッテルを張られ批判されたが、このノエル・カワードの言葉は彼の信念にもとずいた言葉だったように思います。
ノエル・カワードはどんな状況下でも自分の人生を精一杯楽しみ、謳歌することこそが人生で一番大事であるという事を伝えたかったのではないかと思います。
「どんな時もウィットに富み、自分の才能を伸ばし、優雅に生きよう」という彼の考え方は、彼の数多くの作品に込められています。
コロナ禍の今だからこそ、2022年3月11日(金)に公開する『プレゼント・ラフター』を観て、ノエル・カワードの世界に触れてみては如何でしょうか。
『プレゼント・ラフター』については下記をご覧下さい☟
それでは、またお会いしましょう!