カバー画像:『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』より ©Evgenia Eliseeva
松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。
【歴代最多】トニー賞6冠を記録するブロードウェイ大女優
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トニー賞を6度受賞(史上最多)した他、グラミー賞を2度、エミー賞を1度受賞したご経歴を持つオードラ・マクドナルドさん。
音楽や舞台のアワードを数々受賞する他にも、大変名誉のある賞もお持ちでいらっしゃいます↓
もはやアーティストの枠を超えて、偉人の域に達していますね…・・・・
- 2015年版 アメリカ・TIME誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に選出
- 2015年 ラク・オバマ元大統領より国民芸術勲章(米国の芸術界における最高の栄誉)を受勲
ではここからは『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』本編での演技について、私の個人的な感想をお話ししたいと思います!
オードラ・マクドナルドさん
『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』でのここがすごい…!
まず、本作を見る上で知っておきたいポイントが2点あります。
1点目。伝説のジャズシンガー「ビリー・ホリデイ」。レディ・デイの愛称で知られる彼女は、人種差別、薬物依存症、アルコール依存症、さらには刑務所にいたこともあり…とにかく壮絶な人生を生きた人物であること。
2点目。本ステージで披露されるのは、死を4ヶ月後に控えたビリー・ホリデイによる最後のパフォーマンスであること。
どんな苦難が立ちはだかっても、ビリー・ホリデイは歌うことを絶対に諦めない。伝えたいメッセージを歌や言葉で全身全霊に表現していく。本作では、そんな姿が描かれているのです。
そのビリー・ホリデイを演じるが、ブロードウェイの大女優 オードラ・マクドナルドさん。
ビリー・ホリデイ特有の華やかで少し悲しげでジャジーな歌声もそっくりな点にも驚きましたが、まるで彼女の苦難を共に受け止めてきたかのような、心も体も満身創痍な様子にとにかく心を打たれます。。
自身のストーリーをユーモアを交えて話すシーンでは、ビリー・ホリデイ独特のリズムや抑揚、息継ぎまでも捉えているようで、本人さながらのオーラがありました。
ステージ上で時折見せる陰りと衝動。「目は口ほどに物を言う」という言葉の通り、台詞のないときこそ感じられる緊迫感にハラハラしながら、ビリー・ホリデイが伝えたかったことを自分も真っ向からきちんと解釈しようと、背筋が伸びる感覚になります。
オードラ・マクドナルドさんの瞳には、まるでビリー・ホリデイが今まで見てきたことが映っているかのようでした。彼女の目線の先に映るものを追いかけたくなるような、意味することを知りたくなるようなそんな儚けな虚ろいが感じられるのです。
とにかく衝撃的な作品です。
ビリー・ホリデイを知る方はもちろん、知らないという方にこそ本作をご覧いただきたいです。
本作を見た途端、きっと誰しもがビリー・ホリデイのことを気になって仕方がなくなるでしょう。また、その気にさせてしまうのはオードラ・マクドナルドさんの演技や歌声があるからこそ。
本作は、3月10日(金)公開です。ぜひ劇場へお越しください!!
ではまたこちらのブログでお会いしましょう。
『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』
2023年3月10日(金)より全国順次限定公開!
── 愛に飢えても差別に負けない時代のカリスマ、ビリー・ホリデイを知らずして、人に伝わる“歌”は語れない。
史上初! トニー賞®全女優賞部門を6度受賞、アメリカの舞台エンターテイメント界において最多受賞を誇る、ブロードウェイ界の大スターで看板女優、オードラ・マクドナルドの代表作、そしてトニー賞®受賞作品!
ストーリー
時は1959年、舞台はフィラデルフィアのとある寂れたジャズクラブ。これから観客の面前で繰り広げられるのは、死を4ヶ月後に控えたビリー・ホリデイによる最後のパフォーマンスである。本作は、10曲を超える楽曲の数々に、辛辣で時にユーモラスな回想を交えながら、歌姫の姿とその音楽的世界観を魅力的に描き出していく。ニューオーリンズのカフェ・ブラジルで有観客上演された舞台を収録した「レディ・デイ・アット・エマーソンズ・バー&グリル」。6度のトニー賞に輝くオードラ・マクドナルドがジャズ界の伝説的な歌姫に扮し、歴史に残るパワフルなパフォーマンスを披露する。
トニー賞® 演劇主演女優賞(2014年)オードラ・マクドナルド
トニー賞® 演劇音響デザイン賞(2014年)スティーヴ・キャニオン・ケネディ
配給:松竹 ©BroadwayHD/松竹
〈米国/2016/ビスタサイズ/90分/5.1ch〉日本語字幕スーパー版