こんにちは!松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員のYuriです。ブロードウェイミュージカル初心者の私が、ミュージカルや演劇の素晴らしさについて気ままに発信!今回は、先日開催された『第74回トニー賞授賞式』と『パリのアメリカ人』の楽曲を創り上げた偉大なる作曲家・作詞家のガーシュウィン兄弟に注目します。
カバー画像:『パリのアメリカ人』よりⒸAngela Sterling

松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。

ブロードウェイが帰ってきた!
ミュージカルの祭典“トニー賞授賞式”

先日、2021年9月26日※アメリカ時間に、演劇、ミュージカルの最高峰であり豪華スターたちの競演による祭典『第74回トニー賞授賞式』が開催されましたね!配信サービスやニュースなどでご覧になった方も多いのではないでしょうか。

『第74回トニー賞授賞式』は、2020年6月に開催を予定されていたのですが、新型コロナウィルスの影響により延期となり、約1年3ヶ月の時を経てやっと…の開催となりました( ; ; )

ブロードウェイ再開を祝し、これからブロードウェイをもっと盛り上げていこう!と歓喜に満ち溢れた、記念すべき授賞式でしたよね…!

ブロードウェイミュージカルの今、そしてこれからを知ることができ、観てみたい・気になる作品がたくさんありました!また、授賞式で披露されたパフォーマンスはどれも豪華で素晴らしく「これぞ本場…!やっぱりエンターテイメントの力ってすごいなぁ…」と心打たれました。。

まさに授賞式のタイトルにある通り「'Broadway is back!'(ブロードウェイが帰ってきた!)」といった特別な夜で、エンターテイメントは生きる上での“必需品”だと再認識しました。

そんな特別なステージで、、なんと『パリのアメリカ人』主演のロバート・フェアチャイルドさんがパフォーマンスを披露されていました!!!!皆さんご覧になられましたでしょうか!?

ロバートさんがパフォーマンスをしたのは、前回の授賞式以降にお亡くなりになられたブロードウェイ業界の方々を偲ぶ追悼ステージでした。

彼らの功績を称えながら華麗に舞うロバートさんの姿に、会場の雰囲気がガラリと変わりました、、白いタキシードを身に纏いパフォーマンスをするロバートさんは一筋の光のようで、レジェンドたちの存在があるからこそ今のブロードウェイがあり続け、これからの未来に繋がっていく、そんなメッセージを意味しているかのようでした。。

とっても素敵なパフォーマンスなので、これから授賞式をご覧になる方はぜひ注目してみてくださいね♪

偉大なる芸術家ガーシュウィン兄弟の功績!

『パリのアメリカ人』

ⒸAngela Sterling

さて。前回のブログでは『パリのアメリカ人』の演出・振付を担当したクリストファー・ウィールドンさんと装置・衣装デザインを担当したボブ・クローリーさんについて注目しました。今回は、『パリのアメリカ人』の作曲&作詞ガーシュウィン兄弟についてお話ししたいと思います。

まず、作曲を務めた弟のジョージ・ガーシュウィンさん(1989-1937)。ニューヨーク、ブルックリン生まれです。数多くの舞台作品の楽曲を手掛けており、代表作には『ラプソディ・イン・ブルー』、『協奏曲 ヘ長調』、『パリのアメリカ人』などが挙げられます。

アメリカ音楽の礎を作り上げた作曲家として知られ、ガーシュウィンさんの曲を耳にすると、音楽に詳しくないという方でも「あの曲だ!!」となる作品が多いのではと思います(『ラプソディ・イン・ブルー』は、人気漫画『のだめカンタービレ』で使われたあの曲です)

そして作詞を務めたのが兄のアイラ・ガーシュウィンさん(1989-1983)。1918年より弟のジョージさんと共に制作活動をスタートし、20作品超もの舞台や映画の楽曲を手掛け、なんとアカデミー賞には3度ノミネートされています。

ジャズ・クラシック・ポピュラー音楽など、多方面において数多くの代表曲を残したガーシュウィン兄弟。実は彼ら自身もパリで創作活動を行い、パリでの体験を作品に反映させた、まさに“パリのアメリカ人”なのだから驚きです。

代表曲『パリのアメリカ人』は、パリの街並みや人々の様子をイメージに作成されたもので、軽やかで華やかな印象が特徴です。私はこの楽曲を聞くといつも、パリの街並みを腕を振って歩き、美しい景色を眺め、人に出会う、そんなストーリーを想像します♪

では、劇中の楽曲を見てみましょう。こちらです↓

【楽曲一覧】
第1幕

  • 『協奏曲 ヘ長調』カンパニー
  • 『アイ・ガット・リズム』アンリ、アダム、ジェリー、カンパニー
  • 『セカンド・プレリュード』リズ、女性アンサンブル
  • 『ビギナーズ・ラック』ジェリー
  • 『ザ・マン・アイ・ラブ』リズ
  • 『ライザ』ジェリー
  • 『スワンダフル』ジェリー、アダム、アンリ、カンパニー
  • 『シャル・ウィ・ダンス』マイロ
  • 『セカンド・ラプソディ&キューバン・オーバチュア』カンパニー

 
第2幕

  • 『アントラクト』オーケストラ
  • 『足がウズウズ』ジェリー、カンパニー
  • 『フー・ケアズ?』マイロ、アンリ
  • 『きみに 僕に 永遠に』アンリ、ジェリー、リズ、マイロ
  • 『バット・ノット・フォー・ミー』アダム、マイロ
  • 『パラダイスへの階段』アンリ、アダム、カンパニー
  • 『パリのアメリカ人』カンパニー
  • 『決して奪えはしない』アダム、アンリ、ジェリー

どれも本当に素敵な楽曲です!!中でも冒頭の『アイ・ガット・リズム』は、聞いたことがある方も多いと思います。とても軽快で明るくワクワクが止まらない、パリ物語の始まりに相応しいハッピーな楽曲で私は大好きです♪

その他にもジェリーが歌と踊りでリズを誘う『ビギナーズ・ラック』や、リズの心情に変化が現れる『ライザ』、ジェリー・アダム・アンリが想いを馳せながら歌う『スワンダフル』などなど、、劇場を出たらつい口ずさんでしまうような楽曲が盛り沢山です!

私が思うカーシュウィン兄弟の楽曲の魅力・特徴は、ズバリ…

  • 軽快さ
  • 緩急が楽しい
  • 一度聞いたら忘れられない

この3つが挙げられると思います!そして聴いた後には必ずハッピーで晴れやかな気持ちになります!

実は楽曲を務めたジョージさんは、38歳という若さでこの世を去ってしまいました。短い生涯でこんなにも素晴らしい楽曲・功績を残し、アメリカ音楽の礎を作ったことは本当に素晴らしいことで、まさに“アメリカ音楽の父”であった、とつくづく思います。。

ちなみに、ブログの冒頭で取り上げた『第74回トニー賞授賞式』が開催された9月26日は、なんとジョージさんのお誕生日でした。。すごいご縁ですよね…!

きっとジョージさんもブロードウェイの再開を祝福し、そしてロバート・フェアチャイルドさんのパフォーマンスを見て、これからもっとブロードウェイが盛り上がると楽しみにしていることに違いありません。

カーシュウィン兄弟による偉大なる楽曲を、トップバレエダンサー ロバート・フェアチャイルドさんが歌い・踊る、最高にハッピーなエンターテイメント『パリのアメリカ人』は、10月15日(金)より全国公開です!

ぜひ劇場に足をお運びください♪

ではまた次回お会いしましょう!

パリのアメリカ人
2021年10月15日(金)より全国順次限定公開!

新着▶︎▶︎こちらの【上映作品 劇場案内】にて、上映劇場をご覧ください

『パリのアメリカ人』

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歴史にのこるアカデミー賞受賞映画、名作恋愛ミュージカルを舞台化!トニー賞に輝く、ブロードウェイ・プロダクションとキャストが贈る、最上級ブリティッシュ・エンタテインメント!

【ストーリー】
主人公ジェリー・マリガン(ロバート・フェアチャイルド)は、アメリカ人の退役軍人。戦争が終結し、多くの希望やチャンスに満ちあふれたパリで、画家を目指している。ジェリーが若く美しいダンサー、リズ(リャーン・コープ)と運命的な出会いを果たすと、終戦後のパリの街並みを背景に、芸術や友情、恋をめぐる官能的かつ現代的なロマンスが展開する。

ⒸAngela Sterling
©2018 Swonderful Rights Limited
©BroadwayHD/松竹
〈英国/2018/ビスタサイズ/139分/5.1ch〉日本語字幕スーパー版

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