こんにちは。 松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員Hanaです。今回は『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』に登場する楽曲を作曲した、音楽家たちをご紹介! 有名な音楽家たちの性格が垣間見えるエピソードはどれも面白いものばかりでした。
カバー画像:『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』より ©Lydia Pawelka
松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。
『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』にまつわる音楽家たち、後編!
前回から、『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』に登場する楽曲を作曲した、音楽家たちについて紹介しています。前回は、「頑固で、怒りっぽく、恋多き人」のベートーヴェンと、「実は浪費家でちょっと幼稚な性格をしていた」というモーツァルトについてお話ししました。
今回も、人柄が垣間見えるエピソードと共に2人の音楽家を紹介します!
ショパン
本名はフレデリック・ショパン。39歳という若さで亡くなった、ポーランド生まれの音楽家。彼の有名な曲と言えば、「革命のエチュード」や「仔犬のワルツ」などがありますよね。『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』では、「雨だれ」などが登場します。
ショパンは繊細で柔らかな雰囲気のあるピアノ曲を多く残したことから、「ピアノの詩人」と呼ばれていますが、彼がどんな人かというと…「病弱で超神経質」な人。肖像画を見ると、すこーし眉をひそめているような気もしますが、この肖像画が描かれた時には、実際に体調が優れなかったのではないかとも言われています。
さて、そんなショパンの神経質エピソードとして有名なのは、あるファンの女性との会話。ショパンがファンの女性に「僕の曲って綺麗?」と聞くとファンの女性はもちろん「ええ、とても綺麗です。」と答えます。するとショパンは「僕の曲は綺麗なだけなのか……。」と落ち込んで去ってしまったのだとか。
なかなかに傷つきやすい心を持っていた人のようですね…。しかし、この繊細さは彼の音楽家人生ではプラスに働きました。彼は幼少期、姉が演奏するピアノを聴いて涙を流したと言われるほど、高い感受性を持った人物でした。この感受性の高さが、彼を「ピアノの詩人」にしたのでしょう。(時には超神経質な性質として出てしましますが…笑)
ショパンといえば、同じく音楽家で「ラ・カンパネラ」を生んだリストと友人だったことも有名です。またショパンは、リストの紹介でジョルジュ・サンドという女性に出会います。ショパンはサンドに対し、「あれでも女性なのか」※というあまり良くない第一印象を持ったそうですが、その後2人はかなり親しく付き合っていたそう。
※サンドは当時としては珍しくズボンを履き、葉巻を吸っていたそうです。
シューベルト
本名はフランツ・シューベルト。「魔王」や「アヴェ・マリア」などの曲を残し、「歌曲王」と呼ばれます。私は中学の音楽の授業で初めて「魔王」を聴きましたが、かなり衝撃的だったのを覚えています。周りの同級生も同じだったようで、しばらくクラス内で「魔王」を見よう見まね(?)で歌うのが流行りました。笑
『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』では、「即興曲集 D935より 第2番 変イ長調」が登場します。
シューベルトもまた、これまでの音楽家たちと同じようにちょっとクセのある人物です。シューベルトがどんな人だったかというと、「作曲がすごく速いのに、内気で気が弱く、優しい」…という感じの人でしょうか。その謙虚さや柔和な雰囲気から友人らに恵まれていたようです。
シューベルトの内気エピソードでは、なかなか女性に積極的にアプローチできなかったらしい、というものがあります。というのも、彼は自分の容姿にコンプレックスを持っていたのだとか。彼は低身長※でふくよかな体型をしていたことを気にする一方、あまり自分の容姿を整えようとはしませんでした。
※シューベルトの身長は154cmほどだったと言われています。
そんなシューベルトは、作曲がものすごく速かったそうです。彼は、目が覚めたらすぐに作曲のアイデアを書き留められるように、と眼鏡をかけたまま寝ていました。 さらに「私は作曲の目的だけに、この世界に存在している。」という言葉を残したほどです。
そんなに速く作曲できるなら、自慢のひとつくらいしてもいいのでは…と思いますが、そこで謙虚にいられるのが、シューベルトの魅力なのかもしれませんね。
ここで余談ですが…、シューベルトが作曲した「野ばら」という曲は、なぜか時報チャイムに使われることが多いようです。みなさんの暮らす街でも何時かになるとシューベルトの『野ばら』が流れているかもしれません。ちなみに私の通った中学校のチャイムは、一般的な「キーンコーンカーンコーン…」ではなく、シューベルトの「野ばら」でした。笑
ここまで前編と合わせて4人の音楽家を紹介しました。それぞれ違った人柄が垣間見えて面白かったですね!また次回からは別なお話をしていきたいと思います。それではまた!
松竹ブロードウェイシネマ『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』2024年3月22日(金)より公開
『ピアノ 2 Pianos 4 Hands』
2024年3月22日(金)より全国順次限定公開!
上演回数4000回!
米国、最多制作演劇作品トップ10入りを果たし、 “カナダ演劇界のレジェンド”と言われるテッド・ダイクストラとリチャード・グリーンブラットが放つ、ツアー全公演完売を誇る、グローバル・ヒットメーカー・ショー開幕!
ストーリー
強引な親に風変わりな教師、何時間にもおよぶ反復練習、舞台恐怖症、ライバルや試験の重圧、そして偉大なピアニストになるという夢──ピアノ漬けの日々を送るなか、テッドとリチャードは“ピアノオタク”になっていく。
成長するにつれ、2人は“とても上手”と“偉大”との差を痛感し、コンサートに引っ張りだこのスターにはなれないのではないかと、身の程を思い知らされることに。とはいえ、2人がこの界隈で1、2を争うピアニストかもしれないこと自体、祝福する価値あり!
『ピアノ』(原題:2 Pianos 4 Hands)は、ピアノのレッスンに付き物のユーモラスなあれこれや、いずれ来る夢を手放す瞬間の喪失感を描く。
(2 Pianos 4 Hands 公式ホームページより)
配給:松竹 ©BroadwayHD/松竹
〈カナダ/2013/ビスタサイズ/114分/5.1ch〉 日本語字幕スーパー版