カバー画像:『パリのアメリカ人』よりⒸAngela Sterling
松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。
秋・到・来!
9月も下旬に差し掛かり、だんだんと秋らしくなってきましたね!私は、暑い夏も大好きですが、紅葉やおいしい旬の味覚が楽しめる秋が大好きです。栗やさつまいも、かぼちゃなど、和スイーツ好きな私にとって心踊る季節です♪
また、ブーツやトレンチコートなど秋のファッションも良いですよねぇ。「衣替えしないと!」なんて理由をつけては、ついついお財布の紐がゆるんでしまいます(笑)
気温もちょうど良い秋は、スポーツや芸術・読書など物事に打ち込みやすい季節ですよね。お家時間は何かとスマホに夢中になりがちですが、、この秋の季節を利用し、いつもと違った時間の使い方をして新しい発見や感動を見つけていきたいな、と思います。
自分に合った秋のお楽しみを見つけて、充実したシーズンを過ごしたいものですね(*^^*)♪
高揚感が止まらない、花の都パリの物語
さて。前回のブログでは、『パリのアメリカ人』に出演する助演俳優たちについてご紹介をしましたが、今回は舞台を支えるクリエイター陣に注目します。
私は『パリのアメリカ人』をはじめて見たとき「演出と舞台の仕掛けがすっばらしい!」と思い、心から感激しました…!!
息をするかのように移ろうパリの景色!観ている自分も踊りたくなるようなダンサーたちのパフォーマンス!パリ物語を華やかに演出するのは、間違いなくクリエイターの力あってこそだと私は思います。
今回ご紹介する二人のクリエイターは、素晴らしい才能とご経歴を持っており、『パリのアメリカ人』以外にも数々の名作を手掛けている敏腕クリエイターです。
では早速、演出・振付を担当したクリストファー・ウィールドンさんからご紹介していきます!
クリストファー・ウィールドン(演出・振付)
演出・振付を担当したのは、イギリス出身の振付家クリストファー・ウィールドンさん。クリストファーさんは、英国ロイヤル・バレエ・スクールを卒業後、1991年に英国ロイヤル・バレエ団に入団。2年後にニューヨーク・シティ・バレエ団へ移籍し、1998年にソリストに昇格しました。
バレエダンサーとして活動する傍ら、2000-2001シーズンにニューヨーク・シティ・バレエ団史上初めての常任アーティストとなり、2001年7月には初の常任振付家に就任。世界各国の有名バレエ団から作品制作の依頼を受け、数多くの作品を手掛けています。
ニューヨークのオペラハウスであるメトロポリタン・オペラでは、『ラ・ジョコンダ:ダンス・オブ・ジ・アワーズ』(2006)、リチャード・エア版『カルメン』(2012)の振付を担当。映画作品においては、過去のブログにてご紹介したバレエ映画『センター・ステージ』(2000)のバレエシーンを手掛けているなど、多方面にてご活躍されています。
そして2015年。パレス・シアターにて上演された『パリのアメリカ人』では、トニー賞にて振付賞、アウター・クリティクス・サークル賞の振付賞とミュージカル演出賞受賞という快挙を果たしました。
実はクリストファーさん、『パリのアメリカ人』の演出・振付を打診された当初、ブロードウェイ作品演出の経験はゼロだったというのだから驚き。ジェリーとリズのパ・ド・ドゥ(男女二人で踊るバレエの踊り)で繰り広げられるロマンチックな恋模様、仲間たちとの友情、大勢のダンサーが踊る華やかなステージ、、私にとってはどのシーンを切り取っても「1番の見せ所!」と言っても過言ではないと思いました…。。観る人の心を掴んで離さない、素晴らしい演出と振付がとにかく印象的です。
また、私はバレエについてはあまり知識は深くないのですが、本作を通して「バレエの踊りでこんなにも人の感情を表現できるものなのか…」と感動しました。戦後の傷痕が残るパリで生きる人々の辛さや喜び、恋をする複雑な感情など、言葉なしに人の心を動かせることができるなんて本当に素晴らしいと思いました。
原作映画の世界観を踏襲しつつ、ミュージカルという形で新たな風を吹かせる。寄せては返す波のように心地良い感情の起伏が巻き起こる、クリストファーさんが手掛けた『パリのアメリカ人』の演出にぜひ注目して、作品を楽しんでいただきたいです!
\ロバート・フェアチャイルドさんとのsnap!素敵ですね♪/
ボブ・クローリー(装置・衣装デザイン)
次にご紹介するのが、装置・衣装デザインを務めたボブ・クローリーさん。劇場デザイナー兼劇場監督としてご活躍する傍ら、数々の舞台を手掛けているアイルランド出身の演出家です。
英国ナショナル・シアターにて手掛けた装置・衣装デザインは、トニー賞受賞の『ザ・ヒストリー・ボーイズ』やオリヴィエ賞受賞の『ザ・プランタジェネッツ』を筆頭にその数何と25作品以上。ブロードウェイでは、ディズニー版『アラジン』、『アイーダ』、『ターザン』、『メアリー・ポピンズ』など人気作を多数手掛けており、数々のトニー賞を受賞しています。
そんなボブさんが手掛けた『パリのアメリカ人』で私が最も印象的だったのが、各所で盛り込まれているプロジェクションマッピング技術です。
ダイナミックで新鮮な演出に驚きが止まらず、スクリーンを通していながらもその場で舞台を見ているかのようなワクワクした気持ちになりました!絵を描くように移り変わる景色は今までにない体験で、私の中でのミュージカルのイメージが少し変わり、可能性の広がりを感じました。
個人的にドキッとしたのが、リズの姿を投影したであろう女性が踊るシーン。愛する気持ちに奥行きが出て、とてもロマンチックなシーンだったと印象に残っています。
う〜ん。。この体験は言葉で伝えるより実際にご覧になるのが一番ですね…!
ぜひ劇場で感動体験を味わってみてくださいね♪
ではまた次回お会いしましょう!
パリのアメリカ人
2021年10月15日(金)より全国順次限定公開!
歴史にのこるアカデミー賞受賞映画、名作恋愛ミュージカルを舞台化!トニー賞に輝く、ブロードウェイ・プロダクションとキャストが贈る、最上級ブリティッシュ・エンタテインメント!
【ストーリー】
主人公ジェリー・マリガン(ロバート・フェアチャイルド)は、アメリカ人の退役軍人。戦争が終結し、多くの希望やチャンスに満ちあふれたパリで、画家を目指している。ジェリーが若く美しいダンサー、リズ(リャーン・コープ)と運命的な出会いを果たすと、終戦後のパリの街並みを背景に、芸術や友情、恋をめぐる官能的かつ現代的なロマンスが展開する。
ⒸAngela Sterling
©2018 Swonderful Rights Limited
©BroadwayHD/松竹
〈英国/2018/ビスタサイズ/139分/5.1ch〉日本語字幕スーパー版