カバー画像:『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』より ©Evgenia Eliseeva
松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。
ジャズ音楽を牽引し、世間を揺るがせたビリー・ホリデイの名曲
今週もブログ『マイブロードウェイ』を更新していきます!\\\\٩( 'ω' )و ////
よろしくお願いします♪
ミュージカル『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』の公開まで残り2ヶ月をきりました。
2014年のトニー賞にて2冠(演劇主演女優賞・演劇音響デザイン賞)を獲得した話題作。
ブロードウェイの大女優、オードラ・マクドナルドさん演じるビリー・ホリデイのステージはほんとうに圧巻です。。ぜひぜひ劇場にてご覧ください!!
今回のブログでは、ビリー・ホリデイの名曲に注目!
まるで彼女の人生が体現されているような名曲の数々。恋、叫び、祈り、過酷な人生を経験したからこそ刻まれた楽曲は、まさに彼女の命そのものとも言えるでしょう。
ミュージカル本編では15曲もの楽曲が披露されています。
≫≫楽曲一覧はこちら
今回はその中から4曲ピックアップしてご紹介していきます!
1. 「What a Little Moonlight Can Do(月光のいたずら)」
ビリー・ホリデイの代表曲のひとつであり、彼女をジャズシンガーとして証明させた曲でもあるのではないでしょうか。
ジャズピアノの軽やかさと躍動感のあるリズムが特徴。曲を耳にした途端、肩を横に揺らしステップを踏みたくなります。
私はこの曲をはじめて聴いたとき、想い人への気持ちが月光によって顕になり、恋する気持ちを認めてしまう、そんなワクワクした印象を感じました。
2. 「Crazy He Calls Me」
エレガントさを纏う恋の歌。伸びやかに、恋に恋するように歌うビリー・ホリデイの歌声に、映画のワンシーンのようなドラマチックさを感じます。
彼のことが好き過ぎて、クレイジーと言われてしまう。ちょっと切なさも感じる恋焦がれる素敵な楽曲です。
恋の曲は世の中にたくさんありますが「Crazy He Calls Me」は心がじんわりと温まるような楽曲。何かしながらではなく、しっかり耳を傾け、曲の世界に浸りながら聴くのがおすすめです。
3. 「God Bless The Child」
ゴスペルソングのようなソウルフルな楽曲。ゆったりとエレガントに歌うビリー・ホリデイの歌声が特徴的です。
「神様は自分で稼ぐ子を祝福してくださる」
母にも父にも頼らず、自分でどうにか稼ぎ生きていく。
そんな意味合いが込められているようで、人生のあらゆる局面を乗り越えてきたビリー・ホリデイだからこそ歌い上げられる楽曲です。
すべてを見てきたような、達観したような、人生の教えが載せられた、そんな印象さえ感じられます。
4. 「Strange Fruit(奇妙な果実)」
この曲は過去のブログでもご紹介しました。現代にも残る、世代をも超えるプロテストソングです。
「Southern trees bear strange fruit,…(南部の木々には奇妙な果実がなる…)」
黒人虐殺の残酷な情景や悲痛な人種差別の実態を歌った楽曲。胸が痛くもなる、勇気ある楽曲です。
ビリー・ホリデイの代表曲であり、歌うことを禁じられた曲でもあります。
ビリー・ホリデイの祈り、叫びでもある「Strange Fruit」。
ミュージカル本編でもオードラ・マクドナルドさんの圧巻のパフォーマンスに目が離せません。
ビリー・ホリデイの楽曲はどれもとにかく心地よく、大きな愛で包まれるような温かさを感じます。
だけどちょっと悲しくて・・・
私はいつもビリー・ホリデイの曲を聴くとき、自然と彼女がどんなことを思い、どんな時代を生きてきたのか、思いを馳せながら耳にしています・・・
続きは後編で。
続きはこちら
『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』
2023年3月10日(金)より全国順次限定公開!
── 愛に飢えても差別に負けない時代のカリスマ、ビリー・ホリデイを知らずして、人に伝わる“歌”は語れない。
史上初! トニー賞®全女優賞部門を6度受賞、アメリカの舞台エンターテイメント界において最多受賞を誇る、ブロードウェイ界の大スターで看板女優、オードラ・マクドナルドの代表作、そしてトニー賞®受賞作品!
ストーリー
時は1959年、舞台はフィラデルフィアのとある寂れたジャズクラブ。これから観客の面前で繰り広げられるのは、死を4ヶ月後に控えたビリー・ホリデイによる最後のパフォーマンスである。本作は、10曲を超える楽曲の数々に、辛辣で時にユーモラスな回想を交えながら、歌姫の姿とその音楽的世界観を魅力的に描き出していく。ニューオーリンズのカフェ・ブラジルで有観客上演された舞台を収録した「レディ・デイ・アット・エマーソンズ・バー&グリル」。6度のトニー賞に輝くオードラ・マクドナルドがジャズ界の伝説的な歌姫に扮し、歴史に残るパワフルなパフォーマンスを披露する。
トニー賞® 演劇主演女優賞(2014年)オードラ・マクドナルド
トニー賞® 演劇音響デザイン賞(2014年)スティーヴ・キャニオン・ケネディ
配給:松竹 ©BroadwayHD/松竹
〈米国/2016/ビスタサイズ/90分/5.1ch〉日本語字幕スーパー版