カバー画像:©️Jenny Anderson
松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。
雨の日に踊れたらいいですよね
沖縄はじめ、全国各地で台風や大雨の影響が出ていますね…。みなさんのお住まいの地域は大丈夫でしょうか?
最近はもう「夕立」なんて風物詩的な光景ではなく、「ゲリラ豪雨」とか「線状降水帯」とか、雨の勢いも影響もどんどん大きなものになってきていますよね…。大雨の時や台風の時、私はいつも思い出すことがあります。
それは、ミュージカル映画『雨に唄えば』(1952)の有名なタップダンスのシーンです。
ジーン・ケリーが「Singin' in the Rain」に合わせてずぶ濡れになりながらタップダンスを踊るあのシーン、雨が降ると必ず思い出します。私も今、雨に濡れることを厭わずに踊り出せたら、どんなに清々しいだろうか…と想像しながら、ジメジメした雨の日を過ごしています。
でも最近の私は「タップダンス」繋がりで、すぐに脳内では『ホリデイ・イン』のファイヤークラッカー・ダンスが始まります。笑
ということで、今回はタップダンスについて知識を深めていこうと思います。
タップダンスの歴史
足を踏み鳴らすダンス
1800年代後半、アメリカ南部で奴隷とされていた黒人たちが、彼らの娯楽・自己表現であったドラムなど打楽器の演奏を禁止され、代わりに足で地面を踏み鳴らし始めました。これがタップダンスのはじまりと言われています。
はじめは素足でしたが、その後靴を履き、さらに靴底にコインや廃材を取り付けて、より音が鳴るように工夫が施されていきました。これがタップシューズの原型です。
タップシューズとは
タップダンス用の靴。靴底のつま先とかかと部分にタップスという金属のプレートがついています。形もさまざまで、よくあるビジネスシューズのようなオックスフォードタイプから、ブーツタイプやハイヒールタイプ、スニーカータイプまであります。
タップダンスの確立
タップダンスが確立され始めるのは1920年代のことです。ジャズ音楽の台頭により、その音楽に合わせて足を踏み鳴らす現代のタップダンスが確立されていきます。
ミュージカルでのタップダンス
タップダンスはその後、ハリウッドのミュージカル映画で見られるようになります。有名なのは『ホリデイ・イン』の原作『スイング・ホテル』(1942)のフレッド・アステアや、『雨に唄えば』(1952)のジーンケリーです!
また、ブロードウェイのミュージカルでもタップダンスを取り入れた名作が多く生まれ、エンターテインメントの中心になっていきます。
松竹ブロードウェイシネマでも上映したことのある、『42nd ストリート』も素晴らしいタップダンス満載です!
ジャンルの分化
ブロードウェイのミュージカルなどで見られていたスタイルはミュージカルタップ(シアタータップ)と呼ばれるようになりました。ジャズダンスの要素も取り入れ、体全体を使って踊るスタイルです。
現在多いスタイルはリズムタップと呼ばれるスタイルです。曲中のビートを意識して、いかに細かく複雑なリズムを刻めるかがポイントの、音をつくるスタイルです。
…ここまで来ると、じゃあ日本にはどのようにタップダンスが持ち込まれたのか?も気になるところですよね。それについてはまた次回!
松竹ブロードウェイシネマ『ホリデイ・イン』2023年10月6日(金)公開
『ホリデイ・イン』
2023年10月6日(金)より全国順次限定公開!
努力は絶対に裏切らない、サクセス&ラブ・ストーリー!
夢をとるか、愛する人を選ぶか、ジム、リンダ、テッドの恋の行方はいかに!?
ストーリー
舞台俳優のジムは、アメリカのショービジネスを引退し、エンターテイメントの街からコネチカット州の農場への移住を決意する。以前の生活とは一変しているところに、多才で活動的な農場の元オーナーの娘であるリンダと出会う。
そこで、農場の家をホテルに改築し、感謝祭、独立記念日、バレンタインデー、クリスマスなど、祝い事の度にショーを披露することを思いつき、ゴージャスな催し物を展開していく。
やがて、ジムとリンダの間に特別な感情が芽生えるが、ジムの親友であるテッドが現れ、テッドのダンスパートナーとして、リンダへハリウッド行きの話を持ち掛けてしまう。
「愛」と「夢」の選択、果たしてどちらが選ばれるのか!?
配給:松竹 ©BroadwayHD/松竹
〈米国/2017/16:9/122分/5.1ch〉 日本語字幕スーパー版