カバー画像 『ジャニス・ジョプリン』出演者と脚本・演出(舞台版)を務めたランディ・ジョンソン氏による集合写真 ©Jason Niedle
松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。
私が声を大にして伝えたいこと…
雨が降ったり止んだり晴れたりと、今週はなんとも落ち着かない空模様ですね。急な雨には困ってしまう梅雨のお天気ですが、雨上がりに晴れた青空や虹などが見れると、なんだかお得でうれしい気持ちになったりしますよね^^
また、あじさいが見頃になってきましたね。プチ情報ですが、あじさいは育った土の成分の違いによって花びらの色が変わるそうです。
酸性は青色、中性~アルカリ性は薄紅色やピンク色のアジサイが育つんだとか!お散歩の際はぜひ色の違うあじさいを楽しんでみてはいかがでしょうか?
さて。前置きはこれくらいにして、今回はまもなく公開される『ジャニス・ジョプリン』にてジャニス・ジョプリン役を務めたメアリー・ブリジット・デイヴィスの魅力について迫りたいと思います!
私は初めて『ジャニス・ジョプリン』を鑑賞したとき、率直に「ジャニス・ジョプリンが蘇った…」と思いました。。圧倒的な歌声やパフォーマンスはもちろんですが、彼女が醸し出すなんとも言えない雰囲気がジャニス・ジョプリンそのものなのです…。
本作は2019年に公開されたブロードウェイ版。トニー賞®ミュージカル部門最優秀女優賞ノミネートの他、数々のアワードで42賞以上の受賞・ノミネートを達成し、各分野から絶賛された作品です。
私は、彼女のステージに心から感動しました。これは声を大・大・大にして伝えたいです。ジャニス・ジョプリンのファンの方はもちろん、あまり知らないという方にもぜひ本作を観ていただきたいのです…。
そこで今回は、メアリー・ブリジット・デイヴィスの魅力についてお話したいと思います!
ジャニス・ジョプリンにダイブするかのような圧倒的パフォーマンス
生い立ちと記録
まずは、メアリー・ブリジット・デイヴィスの生い立ちについてご紹介します。
メアリー・ブリジット・デイヴィスは、1978年アメリカ合衆国 オハイオ州生まれ。幼少期からダンス公演にて各地を巡業し、歌や演技など幅広い分野にてキャリアを積んでいました。
2002年 24歳の頃。大学を卒業し、オハイオ州 クリーブランドにて開催されたブルースのジャムセッションに参加し、彼女の歌手活動がスタート。
その3年後「ラブ・ジャニス」の主役オーディションに見事合格。ジャニス・ジョプリンが所属していたバンド、ビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニーと共にヨーロッパツアーに出演します。また、メアリー・ブリジット・デイヴィス・グループを結成し、各地の音楽祭やクラブにて演奏を披露します。
そして2012年、ツアー版『ジャニス・ジョプリン』の主役に抜擢。ツアーの後は、オフブロードウェイ版、さらにブロードウェイ版でも主役を務めて大活躍!全米各地より注目を集めます。
ここでの演技が高く評価され、トニー賞ミュージカル部門最優秀主演女優賞にノミネート。2013年には、ヘレンヘイズ賞ミュージカル部門最優秀主演女優賞にノミネートされます。
さらに再び主役に抜擢された『ジャニス・ジョプリン』初の北米ツアーでは、11週63公演を開催。各地ですべてのチケットが完売し、大成功を収めました。現在は、クリーブランドを拠点に歌手活動を続けています。
↓2019年「ツアー最後のショー!」と投稿したInstagram。かっこ良いですね!!
エンターテイメントを超えた素晴らしさ
生い立ちを見てお分かりいただけたかと思いますが、彼女の歌手人生はまさにジャニス・ジョプリン一色!いかに彼女がジャニス・ジョプリンの音楽を追い求め、ひたすら自身のパフォーマンスに磨きをかけていたということがわかります。
彼女の圧倒的な歌声を聴くと、ジャニス・ジョプリンとまさに同じタイプの倍音を持ち合わせているのでは?とも思います。
▶︎倍音とは?
音色を決める『音の成分』のひとつ。音の高さを決める「基音」に「倍音」が加わって音色になり、整数次倍音と非整数次倍音の2種類に分けられる。
倍音についてもっと詳しく知りたい方はこちら をチェックしてみてください。
もちろん、それを完成させるまでに相当な努力があってこそだと思いますが、ジャニス・ジョプリンの特徴であるハスキーで情感に溢れた歌声を、ほんとうに見事にパフォーマンスしています。
予告編をご覧いだくのが一番伝わりやすいかと思いますので、ぜひチェックしてみてください↓
『ジャニス・ジョプリン』は、歌だけでなくジャニス・ジョプリンのストーリーを語るシーンもあります。
この語りには観客を引き込む強いパワーがあり、私はこの演技を観て、彼女(メアリー・ブリジット・デイヴィスであり、ジャニス・ジョプリンでもある)は私のことを昔からよく知る親友ようであり…またはいつでも味方でいてくれる母親のようでもある…そんな不思議な感覚を覚えました。
トニー賞にノミネートされたのは、歌だけでなく観客を引き込む魅力的な演技もあってこそだと実感しました。
過去のブログ にて、音楽映画をいくつかご紹介させていただきましたが、その中でも「ボヘミアン・ラプソディ」(2018)にてラミ・マレックが演じたフレディー・マーキュリーや、「ロケットマン」(2019)にてタロン・エガートンが演じたエルトン・ジョンも本人さながらでしたよね。
また、「キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語」(2008)にてビヨンセが演じたエタ・ジェイムス も素晴らしく、記憶に新しいですよね。
映画で演じた彼らもメアリー・ブリジット・デイヴィスも、実在する人物を演じるには相当のプレッシャーがあったと私は思います。
そのプレッシャーを乗り越え、まるで本人に憑依するかのような演技に達したのは、熱いリスペクトの気持ちと観客に“存在の功績を伝えたい!”というメッセージが強くあるからこそなのではないでしょうか。
映画やステージを通じ、過去の偉人たちを後世に伝えることは本当に素晴らしいことで、エンターテイメントを超えているとも思います。
メアリー・ブリジット・デイヴィスなしでは成立しなかったであろう『ジャニス・ジョプリン』。元を辿ると、メアリー・ブリジット・デイヴィスにここまで影響を与えたジャニス・ジョプリンの存在自体が改めてすごいとも思います。
ちなみに私もファンの一人として、ジャニス・ジョプリンになりきって歌を歌うことがあります。(笑)
「ピース・オブ・マイ・ハート」や「メルセデス・ベンツ」が大好きで、自宅で一人ライブを開催しています。(お風呂で歌ってるだけです)
本人の歌が大好きだから真似したくなる。本人に近づきたい、本人と同じ視界で世界を見てみたい。
そんな世界各地で起こるジャニス・ジョプリンへの憑依や強い憧れこそが、彼女の音楽や存在自体を永遠のものにしていると私は思います。
なんだか最後はちょっと壮大?な表現になってしまいましたが、、
来たる7月2日(金)、ぜひ劇場でメアリー・ブリジット・デイヴィスの熱唱・熱演を体感してみてください!心にガツンと響く、最高のステージが待っています!
ちなみに、松竹ブロードウェイシネマのブログ では、『ジャニス・ジョプリン』にまつわるテーマや人物などをご紹介しています。
鑑賞前の予習としてぜひご活用ください!ステージの楽しみ方や感じ方がグッと広がると思います♪
ジャニス・ジョプリン
2021年7月2日(金)より全国順次公開!
ストーリー
元祖・音楽フェスティバルの女王にして伝説のロック・スター、ジャニス・ジョプリン。数々の名曲をジャニスが熱唱し、彼女が音楽的にも影響を受けたアレサ・フランクリン、エタ・ジェイムス、オデッタ、ニーナ・シモン、ベッシー・スミスと共に感動のステージを披露する。「孤独」と生涯戦ったジャニス・ジョプリン。そんな中、ジャニスが自らの物語を語り始める。
劇場がさらに増え、全国【24劇場】での公開が決定しました!
ではまた次回お会いしましょう!