カバー画像:『プレゼント・ラフター』より ⒸSara Krulwich
松竹ブロードウェイシネマ新人女子部員ブログ『マイブロードウェイ』。洋楽・ミュージカル映画好きなアラサー女子がミュージカルについて気ままにおしゃべり。歌やダンス、演技や衣装などなど…心躍るミュージカルの世界に没頭していきます。
松竹ブロードウェイシネマ次回最新作は…?
\先週に引き続き、またまた新しいニュースです!!/
『パリのアメリカ人』に続く松竹ブロードウェイシネマの次回公開作品が決定しました!!
それは、、、、
『プレゼント・ラフター』ですっっっ!!!
『プレゼント・ラフター』は、イギリスの俳優・作家・脚本家・演出家であり、そして作詞・作曲・映画監督などなど…マルチに活躍するエンターテイナー ノエル・カワード(1899 – 1973)氏による大ヒット喜劇作品です。
ノエル・カワード氏は、その多彩な才能と幅広い交友関係から、当時のイギリスにてムーブメントが起きるほど注目を集めていたそうで、なんとあの『007』シリーズのショーン・コネリーとも交友があったそうです!
「ノエル・カワード」このお名前がまずカッコいい。。一度聞いたら忘れられないような、何とも素敵な響きです…! どんなお方だったのか調べれば調べるほど「なるほど…そうだったんだ…!」と驚くことばかりで興味津々な私なのですが、カワード氏については次のブロックのイントロダクションにてご覧ください!
では、公開に先立ち『プレゼント・ラフター』が一体どんな作品なのか、私が気になること・注目していることなど、あわせてご紹介していきたいと思います!
ブロードウェイが熱狂した恋愛アカデミー⁉
『プレゼント・ラフター』イントロダクション
英国の劇作家で博学なマルチタレントでもあったノエル・カワードは、1900年代のセレブリティであり、アカデミー名誉賞受賞・トニー賞特別賞受賞の上に、その抜群のセンスからファッション・リーダーでもあった。
当時のイギリスでは、「ノエリズム」と言われ、大衆から大きな注目を浴びていた。「英国風」を創った人物といっても過言ではない。タートルネックも彼が舞台で最初に着たのがきっかけで大流行したと言われている。ショーン・コネリーが『007』シリーズのジェームズ・ボンド役に初挑戦するにあたり、真っ先にカワードへ着こなしの相談に行ったとのうわさ話もあるくらい、その交流の広さは群を抜く。チャーリー・チャップリン、マレーネ・ディートリッヒ、イアン・フレミング(「007」シリーズ)、ウィンストン・チャーチルなど、多くの著名人に及ぶらしい。
その彼が特に力を入れた大喜劇『プレゼント・ラフター』は、ウィリアム・シェイクスピアの『十二夜』から引用された言葉だと言う。主人公のミドルエイジな大人気俳優は自分の本心を言えずに、周囲の芸能関係者とコメディな日々を送っている。私生活さえも“演じる”自分に、いつしか境界線さえも失っていく。自分を好いてくれる人たちをしり目に、年齢を重ねるうちに迷い込んだ「人生」と言う名の迷路。いったい自分は誰を本気で好きなのか、それともこのまま逃げてしまいたいのか…。人であれば誰しもが通る迷い道の出口。泣き笑いの答えを是非スクリーンでご覧いただきたい!
『プレゼント・ラフター』ストーリー
舞台はイギリスのロンドン、1900年代前半。ギャリーはミドルエイジの大人気喜劇役者。腐れ縁の(元?)妻、自分の事を親よりも知っている秘書、恋仲の女流作家と、ギャリーに好意を持つ男性作家に若い女性──。
今日も個性的な面々に囲まれながら、本心を言い出せないギャリー。果たして、ギャリーは最後まで“プレゼント・ラフター(今の笑い)”を演じきることが出来るのか!?
『プレゼント・ラフター』の初演は1942年。今から79年前のことです…! そして第二次世界大戦中だというのだから驚きです。
今回松竹ブロードウェイシネマにて公開されるのは、2017年に上演されたケヴィン・クライン主演版の舞台。ケヴィン・クラインは本作品にてトニー賞 演劇主演男優賞を受賞し、多方面から大変注目と話題を集めた作品なのです!!
ちなみに、ケヴィン・クラインは本作を含めて3度トニー賞を受賞しており、映画作品では『ワンダとダイヤと優しい奴ら』(1988)でアカデミー助演男優賞を受賞している大スターです。話題作では、実写版『美女と野獣』(2017)にて主人公ベルのお父さん役を演じていましたね。
そんなケヴィン・クライン演じる主人公のギャリーは大人気の喜劇役者。そう! まさしくノエル・カワード自身を映したかのようなのです。つまり『プレゼント・ラフター』は、ノエル・カワードがどんな人物だったのか知ることができる物語でもあるのです。
ちなみに、『プレゼント・ラフター』と聞くと「プレゼント?贈り物?」と思いがちですが、こちらはギフトのプレゼントではなく、Present(=現在)です。 Present(=現在)Laughter(=笑い)なので、“今の笑い”という意味になります。
イントロダクションにある通り、本作は主人公ギャリーを囲む複数の訳あり!? な女性たちが巻き起こすコメディ舞台なのですが、その中のひとりを演じるコビー・スマルダーズは、あの人気シリーズ『アベンジャーズ』でヒーローたちをまとめる管理組織S.H.I.E.L.D.の一員を演じたことで、注目を集めている女優さんなのです!アメコミ映画も大好きな私は、お名前を見てすぐに「あの方だ!」とワクワクしてしまいました(*^^*)
映画ではキリッとした姿が印象的なかっこいい女性エージェント役を演じていましたが、『プレゼント・ラフター』では一体どんな演技が見られるのでしょうか! ちなみに本作は、コビー・スマルダーズ ブロードウェイデビュー作とのことで、さらにさらに注目なのです。
さて。物語での気になる点ですが、主人公ギャリーは自分の本心も言えずにいつしかONもOFFも“演じている自分”に気付き、いつしか境界線も失っていく──。というところ。
学生の頃、それこそ演劇の授業で先生が「人間は誰しもが “誰か” を演じている」という言葉があったのを思い出しました。学校での自分、家族の前での自分、恋人の前での自分。人柄は同じでも、確かにその場によって違う自分が居る、そして「演じている」という言葉にハッとさせられたのがとても印象的でした。
本作では、主人公ギャリーは大人気の役者ということもあり、さらに女性関係も複雑に絡んでいることで、どの自分が本当の自分なのか見失っていく。“演じる”とは、一体どういうことなのか、最後にはどんな自分が待っているのか。そしてタイトルの通り、“今の笑い”、ギャリーは今笑うことができるのか。楽しみです!!
もっとお話したいところですが、今回はここまで!
ブロードウェイが熱狂した恋愛アカデミー⁉『プレゼント・ラフラー』ぜひ劇場公開をお楽しみに!
ではまた次回お会いしましょう!
公開情報
2022年3月11日(金)より全国順次限定公開!
配給:松竹
©BroadwayHD/松竹
〈米国/2017/ビスタサイズ/136分/5.1ch〉日本語字幕スーパー版